扁桃炎
扁桃炎とは口蓋垂の左右にある口蓋扁桃に、ウイルスや細菌によって炎症が起こる病気です。健康な状態でも、扁桃にはもともと細菌などが潜んでいますが、風邪のウイルスへの感染や、疲れなどで抵抗力が落ちると、免疫力が低下し炎症をおこします。
- ◇主な症状
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- 強いのどが痛み
- 風邪の症状(発熱、悪寒戦慄、頭痛、全身倦怠)
- 耳の下から首にかけてはれと痛み など
- ◇治療
- ウイルス性の扁桃炎の場合は、一般的に風邪をひいた時と同様の治療を行います。解熱剤を服用し、安静にしうがいを行っていれば、数日〜1週間ほどで治まります。
細菌性の扁桃炎の場合には、抗生物質の内服が有効です。また、症状をやわらげるために解熱剤や消炎鎮痛薬、うがい薬などを処方します。
咽頭炎
咽頭とは鼻腔と口腔から喉頭までの間をつなぐ部分で、リンパ組織が密集している場所です。咽頭がウイルスや細菌に感染し炎症が引き起こされた状態をいいます。
- ◇主な症状
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- のどに不快感、異物感がある
- のどの痛み
- 物を飲み込む時に痛みを感じる(嚥下痛)
- 発熱
- 声がかれる
- 乾いた咳 など
- ◇治療
- ウイルス感染が疑われる場合は、炎症を抑える薬やせきどめ薬を処方します。細菌感染が疑われる場合は抗生剤の投与が有効です。
声帯ポリープ
声帯ポリープは、大きな声を出したり、声を使い過ぎることや、喫煙など普段からのどに負担をかけている人に多いのが特徴です。また、かぜがきっかけで急性声帯炎が引き起こされることもあります。ポリープができると、声帯は通常ぴったりと閉じていますが、すき間ができることにより、声がかすれます。
- ◇主な症状
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- のどが詰まっているように感じる
- イガイガとする
- 声が出しづらい
- 声がかれる など
- ◇治療
- 喫煙者の場合は禁煙し、マスクを装着することにより、ほこりの吸入やのどの乾燥を予防します。ポリープが小さければ、なるべく声を出さないようにし、炎症を抑える薬による保存的療法を行い経過観察します。効果がみられず長引き、日常生活に支障がある場合は、手術をお勧めすることがあります。
喉頭がん
喉頭にできた腫瘍のうち、悪性のものを喉頭がんと言います。喉頭がんは、喫煙者の方や過度の飲酒が原因といわれています。
- ◇主な症状
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- 血痰
- 声枯れが長く続く
- 息苦しい
- 異物感がある など
- ◇治療
- 喉頭がんの治療は、腫瘍が小さい時にはレーザーで声帯を焼いたり、放射線や抗癌剤で治療します。腫瘍が大きい場合や頸のリンパ節が大きい場合には、喉頭全摘出術などの手術が必要になります。